こつん。中身が見えないように丁寧に折られたルーズリーフ。そいつが丁度俺の頭にヒットして、その軽い衝撃で俺は目を覚ました。半分寝ぼけながらも、ふざけた犯人を探そうと教室内を見回した俺の目に飛び込んできたのは、にこにこと悪びれる様子もなく手を振っているアイツの姿。
 しかも何やら口パクで、しきりに投げたルーズリーフを見ろと合図している。はあ。俺はひとつ溜め息を零すと、視線を戻してルーズリーフを開いた。








 中身はなんてことねえ、ただの世間話。キバの野郎が最近恋してるみたいだの、誰かがナルトに告っただの、俺にとってはどうでもいい話ばかり。それでも、我慢して最後まで読んじまうのはきっと、俺がアイツに少なからず好意を持っているからで。けど、俺の気持ちなんて鈍感なアイツは微塵も気付いちゃいねえんだろう。



「ん……?」



 ようやく辿り着いた最後の行。そこだけうっすらと消した文字の痕が見えて。目を凝らしてようやく読み取ったその文字に、俺はまた寝る体勢をとらざるを得なくなるほど、顔に熱が集中した――





ルーズリーフの片隅で





 アイツが俺の誕生日、覚えてたなんて――







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