「お色気の術!」 ボフンという音とともに現れたナルトのナイスバディ。何度か見せてもらったそれを眺めながらしみじみと思う。変化の術で異性になっても、元が良ければ何の違和感もないと。そしてそれは、例外なくアイツにも当てはまるのだろうと── 「はあ!? シカマルにお色気の術をやってもらいたい!?」 「んー……正確には女のひとに変化してもらいたい、かな。裸とかありえないし」 任務帰り、たまたまばったり会ったキバにこないだから密かに考えてたことを告げれば、目をまんまるに見開いて盛大に叫んでくれた。しかもぷるぷると震える指先はしっかりと私を指していて、笑いたいんだか泣きたいんだかよく解らない複雑な表情を浮かべている……というか人を指差すな。 「な……なんで、」 「んー……他はすぐにイメージできるのに、シカマルはイメージできないから?」 「は?」 ますます複雑な表情を浮かべるキバに内心どうして解んないんだと溜め息を零した。 「だってさ、ちょんまげじゃない」 「悪い、言ってる意味が解んねえ」 「だからさ、例えばキバが女のひとに変化したらワイルド系だと思うんだよね」 「おっ、へへ……そうか?」 「うん。チョウジは癒し系で、シノとかネジさんは知的でクールな感じだろうし、リーさんは……ノーコメントで」 「どんな想像したんだオイ」 「と、とにかく! シカマルだけイメージできないんだよ!」 半ば無理やりこじつけるように説明を終わらせて、こほんとひとつ咳払いをした。ん? よく考えれば良いところでキバに会った。ここはひとつ私の願いを叶えるために一肌脱いでもらおうか。 . |