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「俺が欲しいのは、君だよ。帝人くん」



その言葉に一瞬帝人くんの目に同様の色が見えた。やっぱり俺の目的はダラーズの情報って思ってたみたいだねぇ.....。
まぁ、それも欲しいんだけど帝人くん以上に欲しいものなんてないんだよ。




「.......意味がわからないんですけど。」


「だーかーらー、そのままの意味だけど?俺は君が欲しいの。」


「ダラーズの情報ではなくて、ですか」


「わかってくれないみたいだねぇ」



目の前の帝人くんが不思議そうに俺を見る。
あはは、俺好きだよ。帝人くんのその表情。


「とりあえず、その物騒なもの没収してもいいですか」

「ん、あぁ...いいよ。と、いうか別に攻撃するつもりもないんだけどね」



はい、とナイフを差し出すと確かにそれを握る俺より少し小さそうな手。
細いその手首を捕まえて、ぐっと引き寄せた。


「....え....」


小さな小さな驚きの声が聞こえたような気がしたけど、きっと俺の気のせいだよね。
帝人くんの体を軽く抱きしめて、その柔らかな頬に_........




「.....っな!....何を.....!!!」

「あはは、ごめんね。ついしたくなっちゃって」


そっと口づけた。


だって、この方が早いと思わない?きっとさっきの話の流れじゃ、帝人くんのは何も理解してない。
ね、やっぱり早いでしょ。



「何なんですか!....臨也さん、あなた本当は何を狙ってるんですか!」

「さっきから言ってることが答え、だよ。それじゃ....」


おやすみ、帝人くん。いい夢を。



その言葉だけを残して、俺は帝人くんの家の窓からするり、と外へでた。
さっきよりも少し冷たくなった風に吹かれながら、俺は再びネオンの中へと消えてゆく。



今、俺すっごく気分がいいから。仕方ないから静ちゃんと遊んであげよう。


(唇に残る、暖かくて柔らかい感触)




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