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漫画みたいにハッピーエンドならいいのにね。どんなに辛くても幸せが待ってるなら苦しくても、もがいて、幸せ掴もうとするのに。頑張っても幸せな結末が見えないの。大好きな人のハッピーエンドを見てるわたし。そこにわたしはいないの。ただ遠くから眺めてる。ねえ、幸せになりたいな。こんなわたしを幸せにしてくれる人。



彼女ほど人を愛することを恐れる人を俺は知らない。彼女ほど人に愛されることを恐れる人を俺は知らない。その白い肌も、長いまつげも、大きな瞳も、華奢な体も、彼女が彼のために磨いた自身は、彼女の目にどう映っているのだろう。人に愛される資格を十分に持っているのに、どうして。彼女は見かけに反して異常な程自信を持っていなくて、そして臆病だった。愛されても愛されても涙を流す。愛されていることに気づかないで泣くのだ。愛されていることを信じない。気づけばきっと、幸せなのに。


「俺はちゃんと好きッスよ」


けれど、俺は言わない。伝えない。その言葉をそっと胸の奥に閉まって。俺の気持ちだけを彼女に。黄瀬に愛される人は幸せだね。俺の目から一筋の涙が流れた。ああ、なんて彼女は酷いのだろう。俺はこんなにも彼女のことを愛しているのに。黄瀬みたいな人を好きになって、愛されたら、きっとわたしは幸せになれたのかな。みたいな人なんかじゃない。俺は、君が好き。大好き、愛してる。けれどこの言葉は届かない。喉の上まで上がって、飽和した。その言葉が空気を震わせることはなかった。俺は彼女が好きで、彼女は彼のことが好き。彼も彼女のことが好き。簡単なことなのに噛み合わない。うまくいかない。でも、今はまだこのままであってほしい。彼女が俺のそばを離れるまでは、このままで。




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