近くのカフェに入って、甘めのコーヒーを頼むと、緑間くんはさらに甘いココアを注文した。
「…へー」
「…なんなのだよ」
「いや、緑間くんがココアってのが可愛くて」
「…馬鹿にしてるのか」
「え?なんで?褒めてるよ?」
緑間くんは何か言おうとして口を半分くらい開けたけど、そのまま閉じてココアのカップに再び口をつけた。
「緑間くんもちゃんとしてるね」
「何をだ」
「緑色のスカーフだよ」
それ、と指させば、あぁ、と返ってきた。
「当たり前だろう。オレは人事を尽くしているからな。抜かりはない。」
「すごーい」
「そう言うお前も、しているな」
「あ。うん。そうなのー」
バッグを見せれば、なかなかいいじゃないか、と言ってくれた。あれ?褒められてる?
「そういえば今日のおは朝占いの内容って覚えてる?」
少し恥ずかしくなってそうふると、緑間くんは、当たり前だ、と言った。
「じゃあ、言ってみてよー」
得意そうにする緑間くんをちょっと困らせたくて言ったのに、緑間くんはスラスラと話し出した。あちゃー、そういえば緑間くんは頭もいいんだった。
「今日の3位は蟹座のあなた。友達の気の利いた手助けによって好きな人と巡り会えるでしょう。今日の恋愛運は最高潮だから、そのまま告白しても……って」
またもどこかで聞いた話に、今度は顔が赤くなっていくのが分かった。緑間くんも気付いたみたいで向かいの席で固まっている。
「…」
「…」
どちらも話すことができなくなって3分程経ったときだった。
「…全く、ほんとによく当たる占いなのだよ」
ふぅ、と息を吐いた緑間くんは、少し顔を赤くして私に言葉を投げ掛けた。
「…そう言うわけだ。付き合うぞ、カンナ」
私は呆けたまま、暫く動けなかった。
シェイクスピアも驚くような
(真ちゃん日曜はどうだったー?って、なにこのお汁粉) (黙って受けとるのだよ)
prev/ next#
|