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入学してから、三日経った。



(・・・・・次は移動かぁ、)


まだ全然教室は覚えられないけど、なんとか授業はついていけてるので大丈夫、な筈・・・



「みょうじさん」


「、颯斗くん!」


そんな事を考えてぼんやりとしてたら、席の前にいつの間にか颯斗くんが立っていた。すみません、考え事してましたか?と聞いてきたので大丈夫だよと笑って返せばそうですか?と颯斗くんも笑ってくれた


「次、移動教室ですけど一緒に行きませんか?」

「っ、!うんっ喜んで!」


嬉しいなぁ・・・。一人で行くのまだ不安だから助かるし、誘ってくれて、すごく嬉しい。


「ありがとうございます、
・・・では、行きましょうか?」

「はいっ」



颯斗くんはやっぱり優しいなぁ。

もっと、仲良くなれたらいいな




***********



「ハイ、お嬢ちゃん、獅子座定食」

「ありがとうございます、」


やっとお昼だ!とお腹を空かせて食堂に行けば、昨日よりも少しだけ混んでいた。・・・・座れる、かなぁ?
そう思って辺りをキョロキョロ見渡せば空いてる一角を一つ発見したので、座ろうと獅子座定食を机に置き椅子を引こうとした時だった。



「みょうじさん、だよね?」


「・・・・、え?」



ゆったりとした、ソプラノの綺麗な声が、私を呼んだ。


「・・・・え、と・・あ、の」

「!あああの、いきなり、ごめんなさい!!
・・・わ、私、夜久月子です」

「・・は、い・・・」


振りかえれば、男の子二人もいて、つい少しだけ身構えてしまう。
・・・・多分、同じ学年の、私と一緒に入学した女の子・・だよね?
やひさつきこちゃん、かぁ。つきこって綺麗な名前だなぁ。

・・・どうしよう、なんかしたかな?・・あっもしかして友だち達とここに座るつもりだったのかな・・・!



「・・・・・も、もしかして、ここに座るつもりでしたか?っだっ、だったら、私退きますんで・・・!」

「へ!?い、いや、そうじゃないの!!あのっ!」

「、はっはい!」


つい、吊られて私も意気込んで返事をする。

何だろう、こんな可愛い子に本当にもしかして私は何かしてしまったんだろうか?それとも後ろの男の子達に?



「私と、友達になってください!!」


「っふ、え!?・・・・え?」



大きな声に心臓がどくりと飛び跳ねて一瞬、何を言われたのかわからなかった。

でも、私の脳がだんだんとその意味を理解すれば、いつのまにか言葉を口にしていて、



「・・・ぁ、・・う・・・はい・・っ」



予想外で、すごく嬉しかった。
すごく、自分が情けないけど、馬鹿じゃないの、私って思うけど。

気が付いたら、涙腺が緩んでて、涙が出そうになってたんだ。

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