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「おっすみょうじ」
「、おはようっ犬飼くん!」
朝、来たら声を掛けてくれたのは、昨日話した犬飼くんだった。
「犬飼、知り合いなの?みょうじさんと」
「あぁ、昨日ちょっと話したんだよ」
「へぇ!こんにちは、みょうじさん。俺、矢倉っていうんだ。よろしく」
「よ、よろしく。みょうじでいいよ」
「ん、わかった!」
矢倉くん、かぁ。いいなぁ。髪の毛ふわふわで。天パって少し羨ましい。
「・・・・あ!!」
「お?」
「どうしたの、みょうじ。」
「あああのっ犬飼くん、昨日はごめんなさ、」
「ぶっ!!」
・・・・頭を下げれば、何かにぶつかった感触。あ、あれ頭痛い・・・?嫌な予感・・・
「ぶっ・・はははは!!みょうじ、最高!」
「っうわぁああああ!?ごめんなさい、ごめんなさい矢倉くん!」
「だ、だいじょ、うぶ」
矢倉くんの脇にごすっと頭をぶつけてしまった。
しょ、初対面で何やってるの私!
「ほ、本当に、本当にごめんなさい!」
「、っいや、大丈夫だよ・・それよりみょうじは頭大丈夫?」
「うん、私は、この通り・・・・」
そっか、ならよかったと笑う矢倉くんにホッとした。・・・優しいなぁ。
「ははっみょうじ頭固いなぁ!」
「へへ、そうかな」
「いや、照れるとこじゃねーし!」
「俺も負けねーぞ!」
「ちょ、矢倉!?」
なんだか、頬が緩んで仕方ない。・・・あぁ。私、今楽しいというか、嬉しいんだ。
「何々、矢倉壁に頭ぶつけて大丈夫?とうとう頭イカレたのか?」
「うっせぇ田治!俺はいつでも正常だ!
なぁ!みょうじ俺固いだろ?イケるだろ!?」
「う、うん、でも、頭大丈夫?」
「ほら、みょうじも心配してんぞお前頭どんだけイカレてんだよ」
「えっちがっそういう意味じゃなくて・・・!犬飼くん!?・・・ってあ、」
「今度はどうした」
「あの・・・今さっき途切れちゃったけど、改めて、昨日は途中で寝ちゃってごめんなさい!」
「あー・・いや、全然。むしろ疲れてたみたいだけど大丈夫か?」
「うん、ちょっとね。もう平気。」
「えっお前ら昨日・・・もうそういう仲に!?」
「きゃぁああハレンチ!みょうじ、犬飼から離れなさい!」
「ばっ・・・!ちっげぇよ!」
「?」
その後、犬飼くんや矢倉くん、田治くんにどういう意味か聞いたけど教えてくれなくて。
結局犬飼くんが慌てた理由が、私にはわからなかった。
だけど、ひたすらに、皆が優しくて。
だから、嬉しくて、楽しくて。
とにかく幸せな気持ちで満たされていた。
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