(・・・・・これ、結構早めに渡した方がいいものだよね)

手にはクラスと出席番号、夏目貴志と言う名前が書かれた数学の課題。
今朝、遅刻しそうになった時に拾ったもので、
所謂、落とし物というやつを私は拾ったのだ。


(あー、いないかなー西村)


こっちのクラスなんて、めったに来ない。だから数少ない友人を私は辺りを見回して探した。
・・・・あ、いたいた。


「西村、夏目くん呼んで」
「何だ、みょうじ。夏目になんか用か?」
「うん、夏目くんの課題拾ったんだよね」

「あっそれ・・!」

お、これがあの美少年夏目くんかぁ。たしか綺麗な顔立ちをしてるな。
にしてもよかったぁ。無事渡せた。西村とは友達なのかな?

「ハイ、これ」

「ありがとう、すごく助かる」

・・・・・笑うと少し幼いな。
何だ、噂と違うじゃん。笑顔が嘘臭い、なんて。

「そんじゃ、じゃあね」
「おう」
「本当にありがとう、みょうじさん」

あ、戻っちゃった。今さっきのが、もしかして
素だったのかな


「・・・・・うん」

もう一度見てみたいな。あの笑顔、可愛かったのに。
あんな笑顔だったら、すごく女の子からの評判が今より上がるのに。勿体ないなぁ・・・・


「・・・・・・夏目くん、かぁ。」

気がつけば、彼の名前を廊下で呟く自分がいた。



一目惚れ
(笑顔が頭から離れないと気づいたのはその三日後。)


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夏目くん、かなぁ・・・?
第一短すぎるし何コレ相変わらず!
文才が欲しい。鍛えなきゃ。


20120827

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