「よしくんこっちー!」

「なまえ!久しぶり。」



今日は二年ぶりに、私が池袋へと引っ越す前に友達だったよしくんとリアルで会うことになった。

なんと、偶然にもよしくんが私の今地元、池袋に引っ越してきたのだ。


「久しぶりー!いやー、背ぇ伸びたねー!写真じゃなかなかわからなかったけど」

「まぁ二年も経てばね」

「それもそうかー」


彼、三好吉宗くんの家は転勤が多くてこの前、オーストラリアにいたかと思えば北海道にいたりなどなかなか会えない。

だが、私達はチャットやメールで話したりしていた為、交流は今もまだ続いているという訳だ。


「それにしてもよしくんが池袋に引っ越してくるなんてなー」

「しかも同じ学校だしね」

「本当びっくり!」

「うん、嬉しい。
にしても・・・・池袋って、カラーギャングとかいるらしいね」

「うん。たまにぶつかって絡んでくる人がいるから気をつけてね
まぁ、あとは目立つ行動しなきゃ平気だからそんなに心配しなくても大丈夫だよ?」

「うん・・・・あ!あと、都市伝説?とか」

「・・・・あー・・・・、・・・・・首無しライダーのこと?」

「それかな、なんか首がない人がバイク乗ってるって」

「うん。まぁ多分池袋にいればいつか見るよ。
猫のヘルメット付けてるの。可愛いでしょー」

「猫好きだよねー・・・・なまえ、ニコニコしてる」

「へへ、」


あー、よしくんだ。リアルよしくんだー!

もうニヤニヤが止まらない!!
ずっと好きで会いたくて堪らなかったよしくんが池袋に来てくれて目の前にいるなんて!もう最高!


「よしくん、これからもよろしくね!」

「どうしたの?あらたまっちゃって」

「いやー、だってこれから同じ高校通う訳だしさ!」

「そっか・・じゃ、よろしく!」





───この時はまだ、



ニコリと笑ったよしくんが


池袋でこれから起こる事件に


巻き込まれていくなんて私は知るよしもしなかった。




(へへ、よしくんの笑顔はやっぱり素敵!)

prev next


- ナノ -