冬と比べたら暖かな春の朝の休日。


こんな状況、普通は寝ていたくなるし、もちろん私だったら寝ているだろう。



(・・・・・・最悪)



こんな日に、学校に行くなら普段から活動しろと自分が所属する天体部に文句を言いたい。

しかも、日曜日にわざわざ学校に来たと言うのに、顧問が用事で来れなくなり、部活は休み。

何の為に学校に来たんだろう。



「あれ、小倉じゃん。お前も来てたんだ。」

「七尾くんじゃないか。はろー」

「はよ。部活、潰れちゃったな。顧問ももっと早く連絡してくれればいいのになー」

「ホントだよー」



七尾奏介くんは隣のクラスの男子で、私と同じ天体部の部員だ。
気さくで頭の良い彼はとても話してて面白い。


「あ、そういえばコンタクトにしたんだね?」

「あぁ。変か?」

「ううん、似合ってる。眼鏡もよかったけど、コンタクトもいいね」

「ありがと。」


うん、元々顔立ちはいいからコンタクトの方が七尾くんはいいのかもしれない。
個人的には眼鏡の七尾くんの方がしっくり来るけど。


「あ、何だったらお茶しない?」

「七尾くん、ナンパみたいだよしかも王道の」

「え!?あ、ホントだ!やべ!」

「・・ぷっ・・・はは・・っ!おもしろ・・・っ!」

「えー、」


申し訳ないが、七尾くんのハッとした表情がなんだかツボに入って笑ってしまった。
一人で笑って馬鹿みたいだ。少し恥ずかしい。


「ふ・・っ、・・ごっごめんごめん!賛成です!
・・・んー、どうしよっか?この辺だとー・・・」

「・・・あ、小倉ってコーヒー平気?」

「ミルクがないとちょっと無理かな
ねぇ、もしかして「パイナップルサンド」のこと?」

「あぁ、そうだったんだけど・・・・、あそこはコーヒーが美味しいからな」

「あそこはココアも美味しいよ。行こうよ。」

「そうなのか?だったら・・・小倉がいいなら行こっか」



うん、と私が頷いて、ここから近いパイナップルサンドへ二人で向かった




***********





カラン、とドアを開ければ相変わらずの静けさ。あれ、若い人がいる。珍し・・・・



「・・・・ほ、たろ・・」

「あれって・・・・、折木くんだっけ?あと、千反田さん?」



・・・・・・・何てこったい


奉太郎が、奉太郎が、

美少女とっ、で、でぇとだと・・・・!



「・・・・、・・・・・」

「んー窓側がいいかな」



・・・・・おふぉおおふ。

何だろう、この修羅場に出くわしたような妙な申し訳なさは。
例えるなら、身内がデートしてるのを見て何とも言えないような、



「よいしょ、?何してるの?早く来なよ」



ぎゃあああっ!!ちょっ七尾くん入るの!?座るの!?

・・・・いやまぁたしかに店に入ったからにはね、いやでも、・・・うん七尾くんごめん私があの時断ればよかったうん

・・・・ほーたろーがむっちゃ見てるいやうんうわ顔見れないごめん、いやホントごめん邪魔する気はなかったんだ




「ご注文は?」

「こっココア・・・・」



(穏やかな休日から一変)



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