「夜久先輩?」
「あっなまえちゃんっ」
「どうしたんですか?慌ててるみたいですけど」
「あっあのね、この辺で背が高い、紫の髪の一年の男の子見なかった?」
「!」


あぁ、天羽翼くん、か。


「見てませんよ。・・・・もし、見かけたら先輩が探してたって言っときましょうか?」
「うんっお願い!」


たたっと走る先輩を見送りながら、天羽翼という人物を考えてみる。
梓くんが言ってたことといい・・・天羽くんはトラベルメーカーか何かなのだろうか?問題児?生徒会長にも入学式で呼び出されてたし・・・・・


「・・・・・・、」


小さい頃の天羽くんって・・・たしか、発明が得意で、笑顔が可愛くて、犬みたいで・・・・・今は、違うのかなあとは、そうだな、おじいちゃんが大好きで・・・


「・・・・・・」


・・・たまに、一人でいる時、寂しそうな顔をする子だった


「・・・・・・・んー」


ま、十年以上も経てば人間変わるよね



***************



「あ、犬飼先輩、こんにちは」
「お、みょうじ。よっすー
移動教室かー?」
「ハイ。犬飼先輩もですか?」
「あぁ。木ノ瀬に用があってな」
「・・・・・珍しいですね」


犬飼先輩と木ノ瀬くんが二人きりで話したりとか想像があまりできない


「そうか?まぁ別に前に借りたボールペン返しに行くだけなんだけどな」
「なるほど。」


宇宙科、かぁ・・・・。
たしか、木ノ瀬くんが天羽くんと同じクラスだって言ってたよね


「・・・・・・・犬飼先輩、私も用がある人がいるので着いてってもいいですか?」
「別に構わねーぞ」



(気になるなら、自分から動かなきゃ)

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