小さい頃から、星が好きだった。

きらきらと瞬く星にはお話があって、幼い私はそれはもうロマンを感じた。それに別に調べなくてもただ見ていて時間を忘れられたし・・・・今もそれは変わらない。星は大好き。
何よりも、一番何も考えなくてよかったあの頃を思い出すから。


「・・・・・・、どうしよう緊張で、心臓が」
「うん、僕もそこそこ。みょうじさん、一年間よろしくね」
「うん!こちらこそ・・・・!うあああああああもうどうしようどうしようどうしよう私、クラス馴染めるかな・・・・」
「みょうじさんなら大丈夫だよ」


近所に住む小熊くんと一緒に、私は星や天体などを必修科目としている「星月学園」に本日無事入学致しました。
いぇーい緊張で胃が痛いぞ!
今さっき飲んだ胃薬はまだ効果が現れてないみたいだ。

「・・・・・もしかしたら、ずっとくっつきっぱなしでむしろストーカーになるかも。小熊くんの。」
「ええっ?」

アハハ、じょーだん!と笑うがやはり口が引き攣る。ごめん、半分本気です。だって仕方ない。いくら自分で決めた高校だからと言っても小熊くん以外に知り合いはいないし、同学年の女子は、私だけなのだから。一つ上に女子の先輩がいるみたいだけど、どんな人なんだろう。私が来るまで一人だった訳で。勝手なイメージだが、すごい社交的な人なんじゃないだろうか。ていうか女子生徒が受験するの少ないって知っていながらよく私この高校に受験して合格したなぁ・・・頑張ったよ。小熊くんと一緒に死に物狂いで頑張ったよね。すでに懐かしい。


「・・・それにしても学校広い!」
「うん、迷っちゃいそうだね」

校舎が大きい!広い!綺麗!空気がおいしい!!!!

「うわー早く覚えないと。移動教室やっぱり沢山あるかなぁ」
「どうだろうね・・・オープンスクールでも言ってなかったしホームページにも詳しくその辺は記載されてなかった筈だから」
「カリキュラム次第だろうけど教科名と軽い説明だけだったし名前だけ見る限りで移動教室っぽいものはあったけどさー。ほら、鑑賞会?とか」

そうだねと小熊くんが頷いて腕時計を見ながらそろそろ始まるから行こうと急かした



(あっそうだね行こう)

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