「な……何ィイ!?」
マカは、シドが墓を落とした時にちょうど地面に出来た微かな隙間を利用し、見事その攻撃を回避していた。
「恐怖心があるから人は誰も強くなろうと思うんだ!!」
マカはシドの顔面を強く蹴った。
「マカ!“あれ”をやるぞ!!魂の波長を合わせろ!!」
ソウルの言葉にマカははっとする。
「でもあれはまだ一度も成功してないよ!」
「できる!!俺たちならやれる!!」
「………、うん!!」
一瞬戸惑ったマカだったが、覚悟を決めたように頷いた。残された面々は、あれとは何か分からない。
マカはソウルをしっかりと握る。刹那、ソウルの鎌の刃が大きくなりまばゆい光を帯びた。
「「魂の共鳴!!」」
「!?」
「まさか!」
援護として外に回っていたFirst nameとFirst name、そしてブラック☆スターと椿も、マカとソウルを凝視した。
「行くぞ!!」
「―鎌職人伝統の大技!!―魔女狩り!!」
魂の共鳴―それこそ職人と武器が同調して織り成す究極の技。マカとソウルは今こそとその魂の共鳴を発動させる。
……しかし。
その発動した“魔女狩り”を支えきれず、マカが足元を崩した。
「いっ…や〜〜ん!」
マカが不注意で魔女狩りを発動したままのソウルを手放すと、それはブラック☆スターめがけて一直線に吹っ飛んでいった。
「いやァアアアん!!!」
当のブラック☆スターはものすごい体勢になりながらも何とかそれを避ける。
するとソウルは、周りの墓を両断しながら今度はFirst nameに向かって近づいてきた。
「First name!避けろーーーー!!」
ソウルは自分では歯止めが利かない状況にあるため、First nameに向かってそう叫ぶしかない。
「おっと…」
しかし避ける気配のないFirst name。ソウルは焦って、再び叫んだ。
「何してんだ!!避けろって言ってんだろ!?」
ソウルの大声が徐々に近くなるが、First nameは気にせず迫り来るソウルに向かって歩き出した。First nameですらそれを止めようとしない。
「First name」
「うん」
お互いに何かを確認するように頷いた後、First nameはFirst nameを持っていない方の手を前に突き出した。