死神様の元へ向かうべくギロチンの道を歩いていく四人。
それを上から見下ろす影があった。


「ソウルとマカだ。…あとの二人はウワサになってた新入生か?…まあいい。俺に隙を見せるとはな…。
行くぞ椿!!」
「はい」







「ん?」
「何だアイツ…」

First nameとFirst nameは、早々にその人物に気が付いていた。

「暗殺道其の一!!闇にまぎれ… 息を殺し、目標のスキをうかがうべし!!暗殺道其の二!!目標と同調し目標の思考・行動を推測せよ!!暗殺道其の三!!目標が自分の存在に気づく前に相手を倒せ!!」
「あ、ブラック☆スターだ。何やってんの?」
「でっかい声出してよ」


暗殺者の心得とやらを、ちゃんとマスターする気はあるのだろうか。程なくしてマカとソウルにも存在を気付かれてしまったブラック☆スターは、残念がる様子も見せない。寧ろ満足したような表情だった。

「俺の押さえ切れないスター性!!それがあだとなったか……」
「絶対違う」

First nameは指摘するが、ブラック☆スターの耳には到底届かなかったようだ。彼らの距離に問題があるのではなく、ブラック☆スターが一方的に聞いていないだけなのだが。

ブラック☆スターとその武器・魔暗器椿が、ギロチン台の上から降りてきた。

「まあいい!!今はヤバイくらい俺の時代だ!!まいるよな?椿」
「…うん、そうね…」

椿はブラック☆スターに調子を合わせるも、魂狩りの本番にこれでは困るなと内心思っていた。

「ブラック☆スター、椿ちゃん。この子達が今日死武専に来た新入生だよ」
「槍職人のFirst nameです。初めまして」
「First nameだ。よろしくな」

マカに紹介されて名を名乗る。するとブラック☆スターはずいっと二人の眼前へ出て、とびきりいい笑顔で自分も名を名乗った。

「おう!!俺はブラック☆スター!!暗器職人だ!!俺の事はブラック☆スターでいいぞ!」
「初めまして、私は中務椿です。椿って呼んでください」

ブラック☆スターとは違い、上品な笑顔でそう言った椿。優しそうな彼女を見て、こんな人柄だからブラック☆スターに付き合っていられるのだなとFirst nameもFirst nameも納得した。
二人は、ブラック☆スターと椿と握手を交わす。


「よし!お前ら新入生に、今回特別に俺様のサインをやろう!!」
「いらねーよ」

貰っても困ると言いたげな顔をするFirst nameだったが、彼の丁重な断りも聞かず、どこからか色紙とペンを取り出す青い少年。
First nameはそんな彼らの様子を見て思わず笑いを零した。

「一人一枚がいいか?」
「ブラック☆スター、いらないってさ」
「何ィ!?マカ俺に喧嘩売ってんのか!?」
「いや。だから私じゃなくてFirst nameが」
「もう、ブラック☆スター!」




楽しいお喋りをしていれば、長いと思っていた通路もあっという間に進んでいて。大きな鏡のある場所に辿り着いた。
ここにいる誰の身長よりも大きいその鏡は、死神様を映し出すもの。
マカはそこに、死神様の鏡番号を書き死神様を呼び出した。



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