#会話文
「…趙雲殿」
「何ですか?」
「私の顔に何かついていますか?」
「えぇ。愛らしい目と鼻と口が」
「…」
「照れた顔もお可愛らしい」
「この顔が照れた顔に見えるというのなら趙雲殿と私には認識の違いがあるようですね」
「素直でないのが唯緋殿の魅力の一つでもあると私は思います」
「…集中できないので鍛練でも何でも行ってくれませんか」
「唯緋殿の心を乱してしまっている責任はこの趙子龍、しっかりと取るつもりです」
「責任とかいいんでどこかへ行ってください。この仕事終わらないと諸葛亮殿に苦言を呈されるので」
「その時は私が唯緋殿をお守り致す」
「その前に仕事させて下さい。というか何で手を握ってるんですか仕事できないんでやめて下さい」
「いつもながら唯緋殿の手は小さく柔らかい。そして綺麗だ。触れる度この手を守りたいと思う」
「触れることを私が許可したことは無いと思うのですが」
「唯緋殿のこの手が私の体に触れるときのことを考えると夜も眠れない」
「意味が分かりません」
「唯緋殿…貴方の前では平静を保てないのです」
「では私の前に現れなければよいのではないでしょうか」
「貴方の小さな体をこの腕の中に閉じ込めてしまいたい、等と思ってしまう私を情けないと思われますか?」
「そんな発達した妄想をしている暇があるなら劉備殿の為に武芸を磨いて下さい」
「私は貴方が…愛しいのだ」
「私は全くそのようなことはございません」
そんな君を死ぬほど愛しているから早く素直になりなよ
「…姜維。唯緋殿から竹簡はまだ届いていないのですか」
「はい。例の如く趙雲殿が室に居座っているそうです」
「…催促に行ってきなさい」
「私では趙雲殿には敵いませんので丞相お願い致します」
「ここは空気の読めない馬超殿に行って頂きましょうか」
「馬超殿に伝えて参ります!」
「えぇ。姜維」