いつだってそうだ。あいつは素直じゃないから、わざわざ険のある言い方や言葉ばかりをその小ぶりな口から吐き出して、そしてそれを後悔して自分を責めるような顔をする。だから自分のことなんか好きじゃない、とか言って子供みたいに泣きだしてしまったり感情の均衡を上手く保てなくなってぐちゃぐちゃになってしまったりするんだ。ほんと、面倒くさい性格だっての。気性が激しいくせに小心者で、逃げ癖があるくせに気ばっか強くて。そんな相反した行動なんか信用得にくいに決まってる。なのに空回りした頑張りだけは一丁前で、うまく噛み合わない理想と現実にすぐ傷ついて。「なんでもない」とか言って、ほんとは気づいて欲しいくせに。甘やかして欲しいくせに。だったらはっきりそう言えっての。生憎俺は、難解すぎるお前の行動や言動や態度からお前の希望を全て察することなんかできない。言わなきゃ分かんねぇっつのに気づいて貰えなかったら勝手に傷ついて拗ねて、また「なんでもない」とか言う。そこまでいってもまだぬるま湯に浸かるみたいな甘い優しい言葉を待ってるってんだからほんと手に負えないね。その生き方、どうにかなんないのかい。ま、どうにもなんないからお前はそのお前のままで今まで生きてきたんだろうけど。だから、俺は、お前の側に居てやんなきゃ、なんて、俺だけは、隣でいつも嫌味言って時々甘やかしてやったりしなきゃ、なんて、そんなくだらないことをいつでも考えてる。だからさ、ちゃんとお前のとこに帰ってきただろ?途中で戦局が変わっちまって、まぁ、情けないことに俺の隊は壊滅状態になっちまったけど、俺は生きて戻ってきたじゃないの。だってお前は、俺が居なきゃ駄目だろ。俺がいつでも側に居ないと駄目になんだろ。そんなのとっくに俺は知ってんだ。だから、泣くなよ。そんならしくない弱々しい力で縋り付くなよ。なぁ、お前は俺がずっと守ってやるから、




君を愛してる



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