「へー、じゃあ俺等の事知ってるんですね」
「まあねー」
ハイ、全部話しました。
あののイケメンに比べて、この2人の癒やしっぷり!
ああ、幸せだ。
「えー、じゃあ私の事もですよね!?」
「主人公はコトネちゃんでやったしね」
「じゃあ私が大活躍だったんですね、やったあ!」
「うん!ヒビキ君はマリル大好きなだけの脇役だったよー」
「ひ、ひどいっスよ!」
でもヒビキ君からのお電話とか幼なじみ設定とか、そだてやの話は完全に俺得でしたうへへ。夢小説でもヒビキ君の話は大好きよ。
あはは、うふふと話していると、頭をガシッと掴まれた。
「やーっと見つけたぞ、逃亡女」
顔を後ろに恐る恐る向ける。
逃げたせいか(明らかにバイビーのせいとか分かってるよ!)、めちゃくちゃ不機嫌なグリーン…いや、いい笑顔だ、黒いけど。黒いけど!
「え、なんでここが…」
「こんな人気の少ない校舎で、そんなでっけぇ声で話して笑ってればそりゃー…な?」
な?じゃねーよオォォ!
「ち、近寄るなイケメンンン!」
「なんだ、ほめてるのか?」
「自惚れるなイケメンンン!」
「どっちなんだよ」
「まーまー、グリーン先輩。ここは落ち着いて」
「あ?ヒビキ邪魔すんなよ」
「グリーンさん、なまえ先輩怯えちゃってますよ?そんな真っ黒いオーラ出して…。なまえ先輩が可哀想だからやめたげて下さい」
「は!?こいつはこう見えて俺にボンジュールとかバイビーとか…」
「ボンジュール…?」
「バイビー…?」
「!」
「この2人が知らなかった事をわざわざ言うとかグリーンは馬鹿なの?あ、ボンジュールでバイビーか」
「だ、黙れ!」
「ボンジュールってなんですかなまえ先輩」
「バイビーとか何事ですかなまえ先輩!」
「馬鹿の呪文だよ」
「テメェー!」
「おっしゃ、逃げるよ、2人共」
「「はーい!」」
「待てコラ…ー…!?」
私達が逃げる先には、黒髪で伝説さん…つまりはレッドさんが居た。
「うわ、レッド先ぱ…」
「あ…」
「レッド…さん?」
「レッド、お前…」
レッドさんは、凍てつくような目で私達を見ました。
「…俺がそこで寝てるのに、全員さっきから煩いんだけど」
そこってどこですか。是非見てみたかっ……ん?
バチン、バチ、バチィ…
「「「「え」」」」
「ピカチュウ、10まんボルト」
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