人気の無い場所でグリーンに壁に追いやられた。
言葉だけで言えば大変萌えるシチュエーションだが、正直そうも言ってられない。
イケメンフェイスを近づけるな、免疫無いんです本当に勘弁して下さい。
「近いんだけど…」
「あ?あー…、えっと悪いな。でもまぁ、逃げられないようにって事で」
ニッ、と笑うグリーン。
余計逃げたくなるから止めてくれるかな。
「えっとまずはな…」
「グリーン…なんだよね?ポケモンの」
グリーンの言葉を遮るようにして言葉を発した。
私が知りたいのは、そこ。
「…まぁ、そうだな」
…やっぱり、そうなんだ。
…良かった、私がおかしいんじゃない…。
「なんでここにいるの!?なんでみんな覚えてないの!?なんで私は覚えてるの!?」
「あー、いっぺんにしゃべるな!最初っから説明すっから。まず始めのな。なんでこっち来たか?あれだ、15周年だ」
「はあ…?」
何言ってんだ、この人。
「何言ってんの?馬鹿なの阿呆なの?あ、そっか、ボンジュールか」
「!だだだだまれ」
「怖くないな!」
「つ、次だ次!えっと寝てる間とかに記憶を変えたんだよ。もうお前が覚えている理由も分かるだろ?」
「…わかった…」
つまりあれだ、徹夜でポケモンやってたからか。
「せめてポケモンやってなければ良かったんだが、多分徹夜でポケモンはこの町でお前だけだぞ」
「まじか」
なんだよ私馬鹿か。阿呆か。ボンジュールか。
「それでなんだけどよ…」
「あ」
グリーンが口を開けた刹那、黒髪なあの人が現れた。(あ、黒髪なあの人って黒髪多いのに説明おかしいな!)
「グリーンが同級生を襲っている」
「ちげーよ、馬鹿!」
「…は?」
「っ!今の無し!馬鹿ってのは取り消す、だから落ち着け、な!?」
伝説さんグッジョブ!
「バイビー」
私はグリーンの手が緩んだ隙に抜け出し、二本指を頭付近に持っていって、あの挨拶をした。
「てめええぇぇ!」
「…あ、懐かしい」
とりあえずイケメンこっちくるな。
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