「グリーン君今日も格好いいね!」
「ん?ありがとうな」
政子がきゃあきゃあいいながらグリーンとされる人物に話しかける。
なんだなんだ、なんなんだこの状況は。
いや、確かにこの三次元に存在するはずがないんだ。
でも確かに分かる。あれはグリーンだ。
「なんで、グリーンが…!?」
「なんだ?クラスメートの顔も忘れたのか?」
まるで私がおかしいかのような発言。
「うそ、だ…、だってグリーンはポケモンのゲームの人物で…、おかしい、だって…!変だ、こんなの…!だって私昨日からずっと徹夜で…ポケモンを…」
「だから、なまえってば。ポケモンってなんなのよ?」
「…あ」
どうしよう、頭がくるいそう。
というかなんですかこの展開。
「あ…ぅ、え、沢田…キミはポケモン分かるよ、ね…!?」
クラスメートで近くの沢田に話しかけた。
沢田も結構ゲームやるからそれで少し語ってたりしたー…。
私のポケモンへの愛の語りを根気よく聞いてくれたいいやつである。
「…え?どうしたのみょうじ。ポケモンってー…」
嘘だよ、こんなの。
どうしよう、私しか分からないという現実におかしくなってしまいそうだ。
ポケモンは人気ゲーム。それをみんなが、知らないなんてありえない現状にわけがわからなくなる。
なによりおかしいのはグリーンが居ることだけども。
「!そっ、そうだ、ポケモンのゲーム…」
いいことを思い出した。
いつも持ち歩いているDSとポケモンソフト。
それを出せば…!
私がガサゴソとポケモンのゲームを出すため鞄を漁ると、グリーンに腕を掴まれた。
「痛っ…!」
「あ…わり…。…と、とにかくちょっとこっち来い!」
そのままグリーンに引っ張られて教室からログアウト。
政子が、ずるいぞー!なまえなんて言っている。じゃあ変わってくれ切実に。
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