「あんまり、眠れなかった…」
チュンチュンと朝を知らせる鳥が鳴く。
…くそう。
「今日…かぁ…」
とりあえず黙々と朝ご飯を食べ、学校へと向かう。
延々と文字が紡がれる黒板を、私も延々と写す。
脳内は…まあ、あの事でいっぱい。
…返事どうしようか。
…いや、私は確かに風君が好きだし、それは変えようもない事実ではあるわけで。
風君が喜ぶと嬉しいし、風君と一緒に居られると幸せ。
…でも、ね。
「付き合いたいとは…不思議と一度も思った事は無いんだよなぁ…」
…それってどうなんだろう。
返事が欲しいということは、つ…付き合いたいというわけで…。
私…風君の事…本当に好きなの…?
キーンコーンカーンコーン…
放課後を知らせる鐘が鳴り響いた。
時計の針は午後4時を示していた。
薄情な数字に踊らされるまま
結局どうすんのさ!
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