「…風君」

私は今、風君の前に居た。
放課後になり、昨日の続きをしなければならない。

…どう接すれば分からなくて、なるべくいつも通りを心がける。

「早くやっちゃおっか」
「…なまえさん」
「何?」
「上靴と頬…」
「ああ、上靴忘れちゃってねー。頬はぶつけちゃって」
「…嘘ですよね」
「…なんで?」
「それは…私のせいで…っ」
「ストップ風君」

私は手を突き出して、風君の言葉を制止した。

「なんで風君のせいなの…?」
「それは私の…」
「風君親衛隊がした事に風君が気に病む必要ない。確かにさっきの言葉は嘘。でもそれは心配させたくなかっただけ。風君がした事じゃない、あの子達が勝手にやっただけ」
「…でも」
「あのさ…風君が私に謝ったらね、昨日風君が私に言ってくれた事が悪かった事になるの。私、結果はああ言っちゃったけど、嬉しかったんだ。だからさ…勝手だけど、それを悪かった事にされたら私は悲しい」

だから、そんな辛い顔しないで風君。

「風君、今日は一緒に帰ろうか」

見られたってもう今は変わらないんだから、いっそ。

「なまえさん」
「うん」
「大好きです」
「…うん」
「気持ちは変えられないから、あなたを守れるように…なりたいです」
「ありがとう」



そんなあなただから私は憧れたんだ。


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