「スリッパの何が嫌ってさぁ」
「うん」
「ぺったんぺったんうるさいよね」
「だねぇ」

私はぺったんぺったん音を立てながら私は廊下を歩いている。

「でもさぁ、なんでいきなり?今までは平気だったのに」
「微妙に長いんだけど…あのね、かれこれこういうわけなのよー」
「いや、何一つわからねぇよ」

漫画でよくある言い方をしてみたが、まったくもって伝わらなかった。
ですよねー。

「うん、あのね」







「というわけなのよー」
「うわぁ、風君可哀想」
「すみません」
「でもさ、風君が勝手にアンタを好きで、それでなまえがこんな目にあうなんて」


納得できない。
茅流は手に力を込めていた。


「ありがとう、茅流」
「だって…っ」

そう言ってくれる茅流が居るから、私は今この状況でもなんとか冷静で居られている。
茅流のおかげでどんなに助かっているか。


そうはいっても、茅流の手に込めた力が弱くなりはしなかったのだけど。


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