私は最低な人間だ。

風君を恋愛的に好きだと勘違いして、仲良くなって、せっかく好きになってもらったのに、その気持ちを踏みにじった。

…最低以外のなんだ?


ぐるぐるとそんな思考を巡らせていると、ぽたりと地面に雫が落ちた。
なんの、と一瞬頭が追いつかなかったけれど、すぐにそれは私の涙だと気づいた。


「…なまえさん」
「…風君」

私は、私は…私、は…。

「私は、風君に好きになってもらう資格なんて…」
「資格なんていりません!私が、好きだから…私がただ、なまえさんを好きで好きで仕方ないだけなのだから…!だから…いつも通り、なまえさんは笑ってて下さい」
「…でも」
「あなたの笑顔が、私は大好きなんです」

風君。風君。
ごめんね、笑えないよ。
どうしてかな、胸がぎゅうぎゅうなって、苦しくて、悲しい。

「今日は帰りましょう?掲示物もあと少しですし、先生も明日また続きをやってもいいとおっしゃってましたから」



明日また、どんな顔して、私は風君に会うのだろう。


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