「ごめ、んなさい…っ」

そう言うなまえさんは泣きそうだった。

「知ってますよ」

だから、それを攻められるわけがないのに。

「私は、なまえさんの私に対する気持ちは、そういう好きじゃなかった事位知ってます」
「…風、君」
「でも私は以前言った通り、なまえさんに私を好きになってもらうために頑張りたいんです」


私はあの時言ったのだから。
あなたに、私を好きになってもらうと。
ただ、私がなまえさんを好きになる方が早かっただけの話。

きっとテレビの向こう側の人に対する憧れから恋愛の好きに変えるのは、嫌いな状態から好きに変えるよりも難しいけれど。
マイナスからのスタートだとしても。

「…でも」
「私は大丈夫です」

私が発する言葉に、見ているだけで楽しいくらい表情を変える姿とか。
少しおっちょこちょいな所とか。
言葉では色々言っていたとしても、実はとても優しい所とか。
耳まで真っ赤にして照れる所とか。

それらを見ているのは、本当に楽しくて。


「私、なまえさんに片想いするの…嫌いじゃないんです」


だって、あなたを好きで居られる事が幸せだ。


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