「茅流おはよー」
「おー、おはようなまえ」
「んー」
「何々、甘えたになって」

茅流にぎゅうぎゅうと抱きつくと、茅流は私の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
んー…茅流癒やし。

「ねぇ、なまえなんかあった?」
「あのねー…、誰にも言わないー…?」
「言わないよ。だって言ってほしくないんでしょう」


私がこれから話す内容はなかなかの恥ずかしい話だ。







「というわけなのよ」
「え、何それマジ!?すごいね!」
「すごいけど、でもさぁ…私は…」
「だって、なまえは風君が好きなんでしょう?」
「う…ん…」


そうだ。
私は風君が好きだ。
大好きだ。愛している…筈だ。


「まぁでも、鬱陶しいとかこれはちょっととか思ったらやめときなよ?無理して付き合おうとするなら私止めるからね」
「…うん」
「あ、そういえば話変わるけどさぁ、あの漫画がドラマ化したやつ。実写版のやつが雑誌に出ててー」
「えっ、うそまじ!?うっわ、見たくねー」
「それがさぁ、イメージ以上なのよコレが」
「うっそー!うわ、本当だ」


むしろ漫画より素敵になったそれを見て、私は叫んだ。
ヤバいわこれ、きゅんきゅんする!


…きゅんきゅん…。


「…風君」


あれ…これ風君にときめく感じに似てる。
なんで、風君が好きなときめきと、ドラマの登場人物へのときめきが…同じなの?


「わ、たし…」


私は、風君のことを。


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