「悪いけど一緒に登校はちょっと」
朝ご飯である、ジャム塗りたくった食パンを食べながら口にすると、風君は眉をハの字にして私を見た。
うう…そんな顔しても駄目なんだから!
「風君も知ってるだろうけど、風君親衛隊凄く怖いの。私がもし風君と一緒に登校しようものなら私に色々集中放火するの」
今一緒にお手伝い係をやってるだけでもギリギリなのに、この状況を知られたら何されるか分からない。
「だから正直に言わせてもらうとね、それは困るの。私だけならまだいいけど、私の友達にも被害が及んだら絶対嫌なの。ごめんね、せっかく来てくれたのに」
「…いえ、そういった事は重々承知ですから。すみません、気がまわらくて…」
「うん、ありがとう。ごめんね」
こういった事には風君も納得してくれる。
え?親衛隊?なんの事ですー?みたいな天然ニブチンじゃなくて良かった。
よくあるじゃないか、漫画とか小説とかで。
「まぁ、今日は寝ているなまえさんを見られただけで十分嬉しいですから」
「はい黙ろうか風君!」
くそ、隙あらばこういう事を言う!
私の寝顔なんて誰得だよ!誰の得でもないよこのやろう!
「私得です」
「あっれー、私口に出してたかなー!はい、風君お口にチャックね!キツく!」
だんだん、私と風君の会話がコントになってるのは気のせいだろうか。
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