私の手に握られているのは一枚の紙切れだ。
内容は「080-XXXX-XXXX ri-chi_f@ua.co.jp風」だそうです。
そうですはい、風君のアドレスと番号です。
世の女性達が金を積んででも喉から手が出る程欲しいであろう品です。
ていうか何だよ風君ガチなのか。
駄目だよ自分を大切にしようよ。
「んー…」
送るべき?
送らざるべき?
うんうんと唸りながら、紙切れと睨めっこする。
どうだろう、送らないと失礼な気もするし、送るのも風君に甘える形になるような。
「はぁー…」
そりゃあ、風君とメールが出来たら嬉しいけど、だけど私は。
…寝よう。疲れた。
考えんのつらい。寝る寝る寝る。
…明日また考えよー…。
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