風君の頭がぽぽ●ぽーんしたんじゃねぇかと思う。
風君は大好きだが、私は平々凡々の普通っ子であってですね。
そんな流れでくっつくべき相手にはなれない。
美女を酒に酔って抱いてしまい、できちゃった婚の方がまだマシだとか考えちゃう辺り自分でへこむ。
自己卑下しすぎだろうかと思いつつ、それだけ自分は風君みたいな素敵な人に合っていないだろうと考える。
付き合えたら嬉しい、結婚なんてできたら幸せすぎて死んでしまう。
だけど、それならばちゃんと好き合いたい。
こんな流れでみたいなの嫌だ。
好きになる。周りの女性で一番好意を持っている。嬉しい。嬉しいけど…実際、好きになるとは限らないじゃない。好きだという思い込みは嫌だし。
「…なまえさん?」
「ひゃ!?」
顔をのぞき込まれて、驚いて声を上げてしまう。
「な、ななな…っなに…」
「そろそろ帰りましょう」
「あ…」
見ると、時計のはりは6時をさしていた。
「送りますから」
「えぇ…いいよー…」
悪いし…とか言うと風君はにっこり笑った。
「なまえさんに私を好きになってもらうために、私は頑張りたいんです」
だから、もう好きだっつーのよ!
…とは言えず、曖昧に返事をした。
とりあえず辞書は片して、まとめた資料は先生に渡しておいた。
いざ、帰るという事になる。
「いやー…風君ここまででいいよー…」
「家までちゃーんと送りますよ」
もうやだこのイケメン!
「あの、ホラ…親に見られたら恥ずかしいしー…」
「その時はきちんとご挨拶を…」
「うぇーい、勘弁してくれーい」
「ふふ…」
「え、何今のどこに笑ったの」
「いえ、なまえさんは見ているだけで面白くて」
「そんな変な顔ですかね」
「いえ、可愛いです」
くそ、去れ。去れ煩悩ー!
あたしちょっと除夜の鐘鳴らしてくるー!
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