男子の係はもう決まってるの。
もう風君にお願いしているのよ。

先生がそれを言った瞬間からの女子の視線が怖い怖い。



「とりあえず、2人は辞書を図書室から持ってきてくれるかしら」


そう言われ、私と風君は図書室に向かった。

「こんにちは。よろしくお願いします」
「…えっと、はじめまして?よろしくね」

歩きながら挨拶をすると、風君はぱちぱちとまばたきをした。
くそ、可愛い。

「あれ、でも去年同じクラスでしたよね?」
「う、うん…!そ、うだけど…一応初めて話すから…」
「確かにそうですね。以前クラスメートだった時からみょうじさんは楽しそうな方でしたのでお話できて嬉しいです」

この最強殺人兵器どうにかしてくれ。私死ぬ。

「…でも、その…」
「?どうしました」
「女の子と話すのって…疲れたりしない…?風君っていつも囲まれて大変そうだし…」
「あぁ…、だってみょうじさんはそういう事していなかったでしょう?」

ウォッチングはしてましたがね。

「以前クラスメートだった時、いつもご友人と楽しそうにしていて、一度話してみたかったくらいですよ」

だからそんな心配はいりません。
そう言った風君に胸が弾んだ。

多少なりとも、見られてた…!
どうしよう私「ウホッ」とか言ってたよ普段…!


「実は森先生が、あの…お手伝い係りを、そういった方々以外で選んで下さると言って下さいまして…」


森先生とは選択国語の先生だ。
うわあああぁぁ森先生グッジョブ!


「実は、恥ずかしい事に常に見られてる状況は少々苦手でして…。好いて下さるのを邪険にはできませんし…、あまり高い声もくらくらしてしまって…。ですからみょうじさんのような方とで私は大変嬉しいのですが…ご迷惑でしたか?」
「う、ううん!そんな事ないよ。もしあれなら愚痴だって聞くよ、私。だからこのお手伝いの時間は気楽にしよ」
「はい、ありがとうございます」



とりあえず風君天使。
今まで常識をわきまえた行動をとってて良かったよ神様!


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