「やっほー、なまえ。また同じクラスだねー」
「おはよう茅流、すごい嬉しいよ。…だけどね」
「あー…、愛しの風君が別のクラスだねぇ」
「うおぉぉん!」
「あーよしよし」


茅流は私の一番気の置けない友人である。
親友というより相棒に近く、私の激しい風君好きの数少ない理解者だ。

風君は大勢に好かれていて、所謂親衛隊的なものもあるから、迂闊に言えない。
親衛隊超怖いあれ怖い。


「でもまぁ、それなら選択授業があるじゃん」
「そう!それよ!」


選択授業とは、幾つかの科目から自分の受けたい科目を選択し、教室を移動して行う授業である。
これは全てのクラスの合同なので、クラスが別れた私にもチャンスがあるのだよ!

「風君何選択するのかねー」
「それがね、いっくら調査しても出てこないの!友達にも言わないなんて!」
「親衛隊がぞろぞろ同じの選択するの危惧してるんじゃない?親衛隊あからさまだし、風君も結構困ってんじゃん」

そりゃあそうですね。
私は、親衛隊と比べてオープンには行動してないからそういった対象には思われてないだろう。
風君に「うざい」と思われていようものなら、今すぐそこの窓から投身自殺する勢いである。


「なまえには風君レーダーでも付いてんじゃねぇかってくらい凄いカンがあるんだから大丈夫よ!」
「そう…かなぁ…」


移動教室でも風君と別れたら私は死んでしまうと思うんだ。

病名は勿論、風君欠乏症です。


prev - next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -