1ページ目に栞があっても何の意味も無い。
すぐ本を開ける場所にあっても物語を読み進めるのに少しも役に立たないじゃない。
だから、その本にとっても閲覧者にとってもその栞はいらない子なのだ。
私はきっとそんな栞みたいな存在だ。
物語に置かれる物語とは関係の無い何か。普段なら役立つかもしれないけれど、1ページ目に置かれる栞じゃ誰の役にもたてないし、むしろ邪魔なだけ。
けれど、いつか物語を読み進めるうちに…私も本の…物語の間に置かれる栞くらいには役に立てる日がくるのかしら。
人によってはいらないかもしれない、いつの日かするりと抜け落ちてしまうかもしれない。
物語とは関係ないそれでも確かに存在した本の一部。
そんなものに…私は。
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