幼い頃守りたい存在があったんだ。
それを私はよく覚えて居ない。

母曰わく、私は空想の世界に居るような発言をしていたらしい。
とても楽しかったような記憶はあるのだけど…。
幼い私は、「お母さんが嫌がるならもう、あの子の所にもう行かない」と言って、それっきりそういった話をしなかったらしい。


…私はどこへ行っていたのだろうか。
もし、私が言っていた世界が存在するならば、私はどうしてその子より母を選んでしまったのだろう。

幼かったからかもしれない。
ただもう会えなかっただけかもしれない。
けれど…。


「それでも本当に、守りたかったんだ」


今は殆ど思い出せない…まるでお姫様のように可愛い顔立ちをしていたあの子の事を。


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