私はずっと待っているの。
ゴンさんが、ゴンが…此処に帰ってくるのを。



「よしっ。洗濯物干そう!」


天気は今日も快晴。
今では当たり前になった、平和な平和な同じ日々。
穏やかすぎるけれど、退屈だけれど、それでも私が平気なのは、君を待っているからだ。

最後に君と会ってから何年もたって、もう既に、1人の人間が一生を終えても可笑しくない程の年月がたっていた。


ただ君が死ぬのを待っているのではない。
君があの世界ですべてを終えて。
あの世界が君を手放し。
君が私の所に帰ってくるのを待っているのだ。


君がそばにいる世界はどんなだろうか。
きっとモノクロだった世界が急に色付くように、きらきらと輝くのだろう。


だから私は君が帰ってきたらまずー…。



「きゃっ!」


いきなり、勢い良く巨大な大木が出現した。
真っ黒なその木に唖然とする。
こんな事、なにもない此処では一度だって…!


「…!」


もしかして。
そう思ってその大木の元に向かう。

すると、大好きな声が聞こえた。

「…なまえ」
「…ゴンさん、大きくなったね」

前より巨大になった髪を褒めると、ゴンさんは照れくさそうにした。



ああ、幸せ。
…そうだ、私はゴンさんが…ゴンが帰ってきたら言おうとした事があったんだ。




「…ゴン」
「うん」
「おかえり!」



私が笑顔でそう言うと、ゴンはただいまと私を抱きしめた。


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