「……」
2人とも落ち着いて、しばらく黙ってしまった。
…何か、話題…。
それを考えるうちに私は、ずっと避けていた質問が思い浮かんだ。
聞きたくない。でも、避けてばかりじゃいけないんだ。
「ね…ゴンさん」
「何?」
「ゴンさんはどうしてゴンさんになったの…?」
そう問うとゴンさんは口を噤んだ。
…やっぱり。
「ねぇ、ゴンさん」
「…カイトが実は死んでいて、それに」
それに。そこでゴンさんは再び黙った。
…ゴンさん、私気づいてたよ。
あのね、最初は違和感だったの。
此処はあまりに楽しくて、平和で、平凡で。
…此処を私は、知らない。
「ゴンさん…言っていいんだよ、むしろ、言って」
ゴンさんが、ゴンが好きだ。
だから、私は。
「私は、本当は死んでいるんでしょう?」
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