うちの理科の先生は席替えが嫌いだ。
ぶっちゃけめんどくさいらしい。

そんなものだから、「あー、この班で一年過ごすのかー」とか思いながら理科室の席につく。
理科室は一週間に一度は授業で利用する先生なので余計である。



「くあぁ…」

ずっと授業を受けていると、段々退屈になってきた。
元々大して真面目ではないし、教科担当の先生は去年と同じだし。

そんな事を考えなから、理科室の机にぐりぐりと楽描きをした。
可愛い可愛いにゃんころの絵だ。
…うん、愛嬌があってなかなか可愛い。

そんな事をしているうちに授業もあと少しになっていた。
バーッとノートだけ写して、その日は教室に戻った。







一週間ぶりに理科室に来ると、私が描いたねこがまだ居たので、あー…消し忘れてたなぁとか思っていると、ねこの端に文字があった。
…なんだろう、と思いそれを読むと。

「下手くそ(笑)」



…は、はあああぁぁぁ!?
誰だよコイツ!なんで名前も知らない奴に文句言われなきゃいけないんだ表に出ろ!

イライラしながら、文字の下に「じゃあアンタが書いてみなさいよ!」とかいておいた。





「うっわぁ…」

数日後理科室に来ると、それはそれは素晴らしい猫がいらっしゃった。
…いや、リアルすぎんだろ!
これが某絵投稿サイトならば、シャーペンの本気とか、俺の持ってるシャーペンと違うとかいうタグがつきそうである。

猫の横にある「上手いだろう」という文字の下に「上手いけど可愛いわけじゃないじゃん。ようは愛嬌よ愛嬌!」とか負け惜しみにも程がある言葉を書いておいた。

するとまた数日後。

「お前のは愛嬌しかないがな」


くっそ小憎たらしい!


しかし、気が付くとそんな机の上のやりとりが日常と化してしまった。


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