私は今日もキルア君の対戦を見る事ができた。
ああもう。


「綺麗だなぁ」


なんて美しいんだろう。これはもはや芸術じゃあなかろうか?
キルア君の戦いは見ていて魅了される。

あれなら殺されたいというのは、キルア君の手によって私のすべてが浄化されるように感じてしまうからである。
キルア君は綺麗だ。キルア君の殺しも…綺麗、だ。
だから…私、は。






「キルア君!」

私の仕事が終わるまでキルア君は待っていてくれていて、私は駆け寄った。

「おつかれ」
「キルア君もおつかれさま!」

じゃー、行こうか!
と言って家に向かう。

「今日何食べたい?」
「なんでもいーよ」




そう会話しながらも、ああ、あの手で殺されたいなんて考えてしまう。


「ごめんね、キルア君」
「え?」
「今日も私は、異常だわ」


そう言うと、キルア君は下唇をかんだ。
キルア君と居て、ひとつ異常が増えたのに。

「…オレが、絶対…正すさ…」

キルア君の善意や罪悪感につけ込んでいるのに。
それでも、なんでも、異常でもいいからもっとキルア君と居たいなんて、とんでもなく馬鹿な考えが私の思考を埋めていた。


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