朝がきた。
どうしてかな。いつもより、布団から出たくない。

あったかいの。
心地いいの。
きもちいの。

ここから出たくない。
あ、今日は確かお休みだ。

あー、ラッキー。もうずっとこのままがいい。
ずっとこのまま居られるなら、このまま死んでも本望よ。


そう思いながら、ごろんと転がると、声がした。


「んぁ…もう朝…?」


あ…そっか。


「キルア君」
「ん…なに…?」
「キルア君今日は対戦ある?」
「…今日は…ねぇよ」
「なら、もっとこうしてようよ」
「わっ!」

キルア君をぎゅっと抱きしめると、キルア君もまたぎゅっと返してくれた。


「私、キルア君の温度が好きよ」
「…あっそ」
「なんていうの?子供体温」
「なっ…!お前の体温だって十分あったけーよ!」


私、低体温の筈なんだけどなぁ。


「キルア君があったかいから、私もあったかくなるんだよ」


今は、今だけは…異常も闇も忘れよう。
君が言ってくれたように、あたたかい温度のある…私達…ただのひとりの人間として。ここで、布団の中で微睡もう。


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