「キルア君、一緒に寝よう」
そう言うとキルア君は、少しため息をついた。
昨日は別々の布団だったけど、今日は一緒の布団で寝ようという意だという事を分かっているのだろう。
「しょうがねーな」
今日だけだぞ。というキルア君は布団に潜り込んでくれた。
「あら、明日は一緒の布団じゃないまでも、また此処に来てくれるの?」
「…どーだかな」
むすっとした顔のキルア君を見て、どうやら明日も来るのねと顔がにやける。
「何ニヤニヤしてんだよ」
「べっつにー。キルア君あったかーい!」
「ちょ、馬鹿、くっつくな!」
真っ赤になってぎゃあぎゃあ騒ぐキルア君はとても可愛い。
「ほら、ぎゅー。お母さんだと思っていいのよ」
「思わねーよ!つーか、お前こうしてると本当…」
「何?」
「普通に見える」
「なっ、普段から普通よ!」
「いや、異常だろ」
「う゛っ…まぁ…」
「でも、オレは異常どころか、闇…だから」
そう言うキルア君を、私は強く抱きしめた。
「ばっ、なにす…っ」
「キルア君はあったかい」
「…は」
「キルア君はあたたかい、闇じゃない!」
闇がこんなにあたたかいわけない。
「お前も…あったかいよ」
(だからお前も、本当におかしくなんてないから)
お互いの言葉を慰めにして、私達は抱きしめ合って寝た。
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