天空闘技場の事務職のひとつに、観戦も入っている。
私の場合、午前は事務職、午後は観戦だ。
なぜ観戦があるかというと、上位の奴は覚えろとか、こういう奴らがいる所で働いてるんだから覚悟はしろという半ば警告のようなもの、らしい。

給料が貰える上、観戦料を払わずに見られる。その魅力にこの仕事を選ぶ人も多いくらいだ。
しかし私は、この観戦が大嫌いだ。
仕事で一番嫌いだ。

観戦している私が嫌いだ。

グロテスクで見ているだけで痛くて気持ち悪いのに。
なのに、後日私もああしたくなる。
人を刺しているのを見て、やりたくなる。
首をしめるのを見て、やりたくなる。
なんでだろう。人殺しなんてしたくないのに、異常な私は稀にそんな衝動に駆られる。
だから、その衝動が増えたり、その衝動に駆られるのを好まない私は。

「観戦なんて、目を瞑っていたいのに」

目をそらせない。
仕事も止められない。
その理由は一番私が分からない。


「今日は、だれが」



人を傷つけるのかしら。



何故かいつもどおりわくわくしていると。



「あ、れ…」



キルア君…?


リングに立っている少年に、私は唖然とした。


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