「お風呂入るわよ」
「行ってらー」
「何言ってるの。君も入るのよ」
「は!?お前…っ」
「大丈ー夫よ。君は子供なんだから」
「だからって」

真っ赤な少年を引っ張って、私は脱衣場に向かう。


「よっと」

私が脱ぐと少年は目を泳がせていた。
可愛いなぁ。

「お母さんが脱がせてあげようか」
「だ、だれが母ちゃんだよ!」
「じゃあ、ほら、脱ぎなさい」
「お前…不快な思いするぜ?」


渋々脱いだ少年の身体には、沢山の痣があった。


「…まだ、消えてないから」
「…痛くない?」
「うん…」
「ならお風呂入れるね!」
「…え?」


どん、と少年をお風呂場に押してシャワーをかける。

「ぶっ…!」
「ほら、動かないの!」

シャンプーしてあげるから!と言うと、自分で出来る!と叫ばれた。

「オネーサンに甘えなさいな」


呪文はない。
なら、普通に接して、少しでも考えを逸らしたくて。


「私ね、天空闘技場って所の事務職員なの」
「……」
「君位の子供のは初めてだけど、見慣れてるわ」

そういったものを見るのは。

「だから、無理しないで」
「…キルア」
「え…?」
「オレの名前。オネーサン明日ビックリするぜ」
「…じゃあ、なまえ」
「は?」
「いや、平等に私の名前を…」

そう言うと、お前本当馬鹿だなと言われた。


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