僕はなまえより小さい。
歳が離れているから仕方ないのかもしれないけれど。

「あれ、僕って牛乳好きだったっけ」
「まぁまぁ」


なんというか、これは辛い。
なまえが僕を子供扱いする理由の一番は身長にあると僕は思うんだ。


「…」
「なぁに、僕?じっと見て」
「なんでもない」


僕だって成長期。
数年すればなまえも余裕で追い越せる筈だ。
イルミ兄さんが身長あるから、僕もきっと…。

…でも数年は遅い。
僕はなまえと過ごしている今、なまえより高い身長になりたいんだ。

「…もしかして僕、身長気にしてる?」
「…!な、んで…」
「あ、やっぱりそう?牛乳ってそういうのの定番だしー」

なまえ、なんで。
…馬鹿の癖してどうしてこういう時に。


「でも可愛いは正義っていうし、子供らしい僕もいいと私は…ぎゃ!」

うるさい事を言うなまえの肩を押すと、バランスを崩したなまえが後ろにあったベッドに沈んだ。
上に跨がると、ギシリ、なんて音がした。


「な、な…な…、ぼ…く…?」
「男に可愛いって言わないでくれる?」
「い、や…だって僕は子供だし…いだーっ!」

思わず僕は、なまえの首筋をがぶりと噛んだ。
力は加減して、けれど痕はつくくらいには強く。


「僕、なにするのよ!」

首筋を押さえて若干涙が滲んでいるなまえの方が、僕の何倍も可愛いと思うのだけど。


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