わたしはとても情けない生き物だ。
こんな幼い子にお金を払わせるなんて…!
「……」
いや、でも70万。
70万の貯金は同期では多い方だったよ?
周り大体30万くらいだったし。
「…そもそも」
そう、そもそも僕が凄すぎなんだ。
何あの見たことない桁。
あんな桁ー…。
「ー…っ!」
「なまえ?何ブツブツ言ってるの?」
「わ!僕。ごめん、なんでもない」
あんな桁を小さい頃から持っているなんて。
まるで。
「ねぇ、僕」
「なに?」
「僕って…」
きっと僕は、この世界で選ばれた…「登場人物」なんじゃないかと。
「僕が、なに?」
「僕って、もしかして…」
もしかして。
「す、凄い人?」
「…は?」
…すみません、この場合の表現が分かりませんでした。
「…ごめん。」
「どういう意味だったの?」
「すみません僕に貯金負けてずっともやもや考えてました」
「…ああ」
カルトちゃんは思い出したように私を見て言いました。
「なまえって、馬鹿だったね…」
そんな目でそんな事言わないで僕ううぅぅ!
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