「ねぇ、僕…私ちゃんとお金払うよ?」

眉をハの字にして言うなまえに、大丈夫とだけ言った。
ここまでホテル代も食事代も僕が勝手に払ってしまうから、は悪いと思っているらしい。
最初のうちは、「僕だってなまえのうちに泊まったりご飯食べさせてもらったりしたでしょ」と無理やり納得させたけれど、そろそろおかしいと思ったらしい。


「いやでも、僕ってまだ子供じゃない!私は僕より大人なんだから、私がー…!」


子供。
その単語にイラッとして、思わず通帳を突き出した。


「…え?」

ぱちぱちと目を瞬かせて、ゼロの数を数え出した。

「いちにーさんしーごーろくななはちきゅー…」

そこまで言ってなまえは目を見開いた後、顔が青くなった。


「…僕って、何者?」
「さぁね。で、なまえはいくらあるんだっけ?ゼロが7個あったらさっきのお金払いたいっていうの受け入れてあげるけど」
「すみません無理です」


(一生懸命貯めた70万円がとても小さく感じる)


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