「待って、僕…っ。速いっ…!」
「…仕方ないなぁ」
「ぎゃー、担がないでー!重いでしょ絶対!」
「重くない」


僕はなまえと色々な所をまわる事にした。
最初は迷惑かけるとか言って渋っていたけれど、なんとか押し切った。
よくやった僕。…半ば脅しだったけど。


「というか僕、傷はもう大丈夫なの…?」
「うん、平気。なまえのおかげ」
「私のおかげなんかじゃ…」
「ううん」

だって僕は、なまえが居なきゃ死んでいたのだから。

「僕は、優しいね」
「そんな事ないよ」
「ううん、そんな事あるよ。私知ってる。僕はさ、すごくいい子だもん」


違うよ、なまえ。
僕がいい子だからなまえに優しいんじゃない。
なまえだから、僕は優しくしたくなるんだよ。


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