「ごめんなさい、ごめんなさい僕」
なまえから聞いた内容は、なまえがその少年を見捨てたと感じている事だ。
そして少しでも償いをしたくて、脳裏から離れない目を振り払いたくて、僕を助けようと思ったという事。
…馬鹿だなぁ、なまえは。
そんな事、気に病む必要なんてないのに。
なまえは悪い事なんてしていないのに。
そいつを捕まえてた奴に向かった所で助けられたわけではないのに。
ずっと、ずっと悔いてきたんだろう。
何年も何年も、忘れられずに。
「…なまえ」
「ぼ、く…」
「僕と行こう」
「…え?」
「なまえが償える方法を探そう」
「…でも」
「僕がなまえを、そんな真っ暗な場所から連れ出してあげる」
ねぇ、なまえ。
巻き込む事を恐れて名前を教えられずにいるけれど、でもなまえを全てから守るから、だから…。
なまえが償いができて、僕がなまえを助けられた時、僕が対等になれたとき。
…僕の名前を呼んでほしい。
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