「…なまえ、おついて」
「…僕…」
「ね?」

なまえを抱きしめて、背中をぽんぽんとたたいた。
幼い頃、兄さんにやってもらって…すごく落ち着いたのを覚えていた。


「…僕、ごめんね」

僕の服をぎゅっと掴んだなまえは、さっきより幾分落ち着いていたけれど…弱々しかった。


「…ねぇ、なまえ…教えてよ」
「…僕?」
「僕は、僕を助けてくれたなまえの事が知りたい」


初めて、人の温かさを感じさせてくれたなまえが、僕は好きなんだ。


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