世界が私を嫌うならば、私も世界を嫌おう。
世界が私を嫌うならば、私は世界を捨ててやろう。
…そう思い始めたのは、いつのことだろう。
「どう?」
「かわ、いいです…」
「良かった」
にこりと笑って、よく似合ってると口にするヒソカに、私は複雑な気持ちを抱いていた。
原作と、雰囲気が違うヒソカ。
違和感を感じるとはいえ、彼の私生活を漫画で見ていたわけではないから、一概におかしいとは言えないけれど。
部屋着だったからお出かけ出来るように洋服を買ってくれたり、替えの下着も買ってくれたし、靴も与えてくれた。
洋服は大変可愛い。私に似合うのだろうか、という不安はあるものの、変な服ではない。
ヒソカのセンスを考えたらこういう服を選んでくれるとは思わなかったけれど。…なんというか、やはりちょっと嬉しい。
私の事をちゃんと考えてくれているのが分かるから。
こうして、私はどんどん、この世界を嫌いになれなくなっていく。
…どうしてこんなに、優しいんだ。
私が青い果実だから?
本当は違う、だって私は…。
「私、強くなんかないですよ…?」
「うん、知ってるよ」
「なら、なんで」
「君は将来有望だ。だって君は」
昔のボクに似ているから。
…そんなわけ、ないじゃない。
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