「…う、そ」

自分から湧き出る温かい感覚に、私は目を見開いた。


昔からハンターハンターが大好きだった。
自分も念能力というものを使ってみたくて、毎日瞑想をした。
毎日、毎日…それはもう小学生の頃から高校生の今まで、ずっと。
途中で、出来るようになるわけないと気づいていた。
…でも、瞑想している間はなんだか落ち着いて…ただ続けていた。…けれど。


「まさか、出来るようになるなんて」


あまりの感動に、涙がこぼれた。
ああ、もうなんて幸せ。
…これでやっと。


「この世界とさよならできる」


ずっとこの世界が嫌いだった。
ずっと、この世界を捨てたくて捨てたくて。
だから私は。



「世界放棄」



この力で、この世界を棄てるんだ。


prev - next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -