「私にもう構わないで!」
「…嫌だ」


トウヤ君は私を後ろから抱きしめている。ここ教室ううぅぅ!やめてやめて。女子の目が怖あああぁぁ!


「…あー、落ち着く…」
「ひいいぃぃ、離してえぇぇぇ!」

トウヤ君は私のクラスメートだ。それ以上でもそれ以下でもない…筈なのだ。
ただ、最初に隣の席だっただけなのに。なんなのこれは。

「やめてやめて、本当に勘弁して」
「うるさいだまれ」
「ひどい!」


しかし、私の何が気に入ってこんな事するんだ彼は。
言っておくが、私は平々凡々という言葉がとっても似合う。
対して、トウヤ君は見た目はいいし、頭もいいし、運動神経もいいという三拍子なんだこんきくしょう。ただし性格は悪い…と、思う。少なくとも私にはね!


「…みょうじの匂い落ち着く」
「ひいいぃぃ、気持ち悪いいい!」
「……」
「った…!」


トウヤ君が私の首筋に噛みついた。
どうやらさっきの発言がお気に召さなかったようだ。
…というか、そういう危ない行動止めてくれないかなぁ。みんな見てるし。
「…わからない」
「…は?」

思わず口にだしてしまった。まあいい。ちょうどいい機会だ。

「トウヤ君が私に構う理由」
「……」
「痛ーっ!?なんでまた噛むのー!?」


いい加減気づけよ



「ん?なんか言った?」
「……」
「痛ー!」


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