くい、とかかとをあげてつま先立ちでプルプルしてると、何やってんのと言われた。
かかとあげてんのと答えると、ふぅんとそっぽ向かれた。
畜生、なんでとか聞けや。
「イルミさん縮んで下さい。切実に」
「なんで?」
「イルミさん高すぎなんです!」
「俺が背が高いのと名前がかかとあげてんのに何の関係があるの?」
「お、おあり、です!」
足に力を入れながら言うと、イルミさんが何でと聞いた。
「よくぞ聞いてくれました!」
「聞いて欲しそうだったからね」
「あながちまちがっちゃあいません。昨日トゥイッター見てたんですけど、ハッシュタグで「身長―12でキスしやすい女の子の身長が分かる」っていうんです」
「へぇ」
「イルミさんのキスしやすい女性の身長は173センチです」
「そう」
「173センチってなんですか高すぎでしょう!」
「そう言われても」
「縮め!くそ、ずっこい!」
そう言うと、イルミさんはふぅ、と息を吐いた後私に近づいた。
そして私の頬に手を当て、…そこから先は分かるだろう。
「要は俺が屈めば済む事でしょ?」
「…でも」
「何」
「め、面倒じゃない…?」
そう不安げに言うと、イルミさんは別に。と答えた。
不器用なその優しさが愛しくて、私はイルミさんに飛びついた。
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奴ら高すぎ。
ずっこい→ずるい
これって方言ですか?
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